桃の剪定は一年の設計図|糖度と作業効率を両立させる考え方

日々のこと
桃日誌

ようやく、みかんの出荷がすべて完了しました。

10月から1月まで、午前中は荷造り、午後からは収穫という生活をほぼ毎日繰り返す日々。正直、体はなかなかハードでしたが、今年のみかんは「結果が出た年」だったと感じています。

今シーズンのみかんが終わり、桃の剪定へ

2月に入り、作業は桃の剪定に完全に切り替わりました。
この冬も、引き続き植物ホルモンの働きを意識した剪定を行っています。

この剪定に変えてから、

  • 品質が安定した
  • 果実の出来が良くなった
  • 糖度が明らかに上がった

と、はっきりした変化を感じています。

一方で、今までやってきた剪定とは考え方が大きく違うために、樹形を作り直す意味で、切る枝の量がかなり多い

正直、切りながら「本当にこれでいいのか」と思う瞬間もあります。
でも、これは一時的なもの。

樹がこの形に慣れてくれば、来年以降は剪定量は確実に減っていくと見ています。

桃の剪定は「一年の出来を決める設計図」

桃の剪定は、ただ枝を切る作業ではありません。
一年間の桃づくりを左右する、もっとも重要な工程です。

桃の栽培における剪定の位置づけを一言で表すなら、
それは 「設計」 に近い作業だと思っています。

どの枝に果実をならせるのか
どの方向に枝を伸ばしていくのか
樹を強くするのか、あえて弱めるのか

それらをすべて、剪定ばさみとノコギリだけで決めていくのがこの冬の主な仕事です。

枝の位置で、桃の性格は変わる

桃の樹には、はっきりした性質があります。

  • 樹の先端は「生殖成長」=実をつけやすい
  • 樹の根元は「栄養成長」=枝葉が伸びやすい

この性質を知らずに放置すると、
先端にだけ実がなり、樹はどんどん高くなる

結果どうなるかというと、

  • 良い実は高い位置にしかならない上に、小さくなる
  • 内部に光が当たりにくく、陰になった枝は枯れてくる
  • 脚立に乗っても届かないなど、作業が危険で時間もかかる

そんな「扱いにくい桃の樹」になってしまいます。

剪定は、その後の作業すべてに影響する

桃は、剪定が終わってからの作業がとても多い作物です。

  • 摘蕾(つぼみを落とす)
  • 摘花(花を落とす)
  • 予備摘果(枝にいくつかの果実を残して落とす)
  • 仕上げ摘果(着果させる果実以外をすべて落とす)
  • 袋かけ
  • 防除作業

もし剪定の段階で
作業しにくい樹形にしてしまうと、これらすべてが大変になります。

逆に言えば、
剪定で「作業しやすい設計」にしておけば、
その後の作業は驚くほど楽になります。

剪定は、単独の作業ではありません。
あとに続く一年分の作業効率を先に決めてしまう工程なのです。

切り方を間違えると、樹は弱る

剪定は樹に与える影響がとても大きい作業です。
だからこそ、間違えると樹を弱らせ、最悪の場合は枯らしてしまうこともあります。

樹の勢いを見極めながら、

  • 強すぎる枝は抑える
  • 弱い枝は残して育てる
  • 実をならせる枝を的確に配置する

こうした判断を、一本一本の枝で行っていきます。

剪定のやり方に「正解」はない

桃の剪定には、目的によってさまざまな形があります。

  • 岡山自然流など
    職人技の剪定と早期摘蕾で高品質を追求する方法
  • 大規模果樹農業で行われている
    V字仕立て・密植栽培による効率重視の方法

前者は品質は非常に高いですが、
難易度も高く手間がかかり、高い位置での作業も多くなりがちです。

後者は作業効率に優れますが、コストも大きく
糖度や果実の肥大で課題が出ることもあります。

よけそ農園の剪定は

  • 作業効率はしっかり意識する
  • それでも糖度と果実の大きさは妥協しない

品質と効率、両方を狙う剪定を目指します。
数年前に行っていた剪定とまるっきり違うので、まだ改善の途中ですが、じっくりと取り組んでいきます。

冬の寒さは、考えるのにちょうどいい

2023年の桃の剪定

みかんの出荷が終わり、桃の剪定が始まる冬。
畑は静かですが、頭の中はとても忙しい。

今年の結果を振り返り、来年の戦略を組み立てる。

この寒さの中で黙々と剪定をする時間は、
そんな「考える時間」にちょうどいいのです。

今年の桃栽培についてのアイデアも計画に反映させています。
どうぞお楽しみに!

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