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購入したレモンで「はちみつレモン」を作ったんですが、とても苦くなってしまって。。
そうですか…申し訳ありません。なんでだろう??
もう一度作ってみるので、今度は黄色に着色したレモンを送ってもらえますか?
承知しました!完全に着色になってからお届けしますので、もうしばらくお待ちいただけますでしょうか。
これはレモンを販売してまもない頃のやりとりで、その時は9月ごろから収穫できるグリーンレモンをお届けしていました。
この時はなぜ苦いのかお答えできなくて、とまどった記憶があります。
再度、黄色に完熟したレモンをお届けしたところ、苦味もなく美味しいはちみつレモンができたとのご連絡をいただきました。
これ以降は完熟のレモンのみをお届けするように、毎年ご依頼をいただいております。
このときは市場関係者からも国産だったらグリーンの状態で出さないと価値がないという話を聞いていたこともあり、「国産といえばグリーンレモン」という思い込みのようなものがありました。
おそらくこれは輸入レモンとの差別化ということで、できあがった認識であると思います。
スーパーなどで多く販売されている輸入レモンで、グリーンレモンの状態を見かけることはありません。これは輸入されるレモンもグリーンの状態で収穫されるんですが、何週間もかけて船便で輸送されてくるのでグリーンが黄色になるようです。
国産レモンをはっきりわかるようにするためには「国産レモン=グリーンレモン」とした方が見た目にもはっきりとわかって、販売する側にとっては都合がよかったと思われます。
この苦味の原因はリモノイドと呼ばれる成分で、柑橘類に含まれ、特に皮や種に多く存在します。
柑橘には、フラボノイドやリモノイドをはじめとして特有の成分が含まれている。
四国地域イノベーション創出協議会
リモノイドは、ミカン科とセンダン科の植物に存在するトリテルペン誘導体の総称
で、リモニン、ノミリン、ノミリン酸、イチャンギンが苦味を持っている。このうち
柑橘加工にとって問題となっているのは、リモニンとノミリンで他のリモノイドは成
熟果実における含量が低いためほとんど問題にはならない。リモノイドの苦味閾値は7
~12ppmとされている。低い濃度で苦味を呈することから、これまでリモノイド含量の
低い原料の使用や成分の除去、苦味緩和について様々な研究がなされている。
地域食品・健康分科会 編
またリモリンの効能として下記のようなものがあげられています。
ですので苦味があるからといってすべてを取り除いてしまうのは非常にもったいないですし、食味を構成する要素のひとつであると思います。
むしろ、栄養面を重視するのであれば、レモンがグリーンがかった状態で少し苦味があったほうが効能としては優れていると言えます。
柑橘類の果皮に含まれるリモノイドは熟度が進むにつれて、しだいに減少していきます。ですので、完熟になるほど皮に含まれる苦味は少なくなっていきます。
当園では1月以降になれば、レモンは黄色に着色し完熟となりますので、絶対に苦味を感じたくないというかたは年明けに購入されるのが良いかもしれませんね。
11月~12月のレモンは少し栄養面を考えたいという方におすすめです。
かんきつ類の皮に含まれるリモノイド成分は、熟していくにつれて減少します。しかし、なんと種に関しては著しく成分が増加するという研究結果があります。
果実の成熟に伴って種子ではすべてのリモノイドが顕著に増加したが、果肉では一定の割合で減少した。
カンキツ類のリモノイドに関する研究 : I.ポンカン, タンカン, 早生ウンシュウ, ナツダイダイ果実のリモノイド組成の時期別変化
ですので、はちみつレモンなどでどこまで種からリモノイド成分が出るのかは不明ですが、取りのぞいておくのが良いと思われます。
かんきつ類を加熱すると苦味成分がふえるという実験結果があります。また、体感でも加熱すると苦味を感じやすいようです。
ですので、はちみつレモンであれば殺菌のための加熱を短い時間にするのがおすすめです。例えば当園のレシピでは30秒程度に抑えています。
リモノイドが栄養成分であることを考えると、少しは苦味があったほうが良いのかもしれませんね。良薬は口に苦し、ということでしょうか。
桃(6月~8月)、みかん(10月~12月)、レモン(11月~1月)と美味しい旬の時期は限られており、
また年によっては早めに完売となることがあります。
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以前にせっかく作った「はちみつレモン」が苦すぎる!というお声をいただいたことがありました。成分とその対策を考えてみたいと思います。