
今年(2026年)のみかんの出来は、みかん産地の和歌山では非常に厳しい年になっています。
夏の雨がほとんど降らず、県内の産地では実が肥大しきれずに小玉が目立っています。和歌山県は、21年ぶりに渇水対策本部を設置しました。
ただ、よけそ農園(紀の川市)のみかんの木は、あるていど元気なまま、厳しい夏を越えました。5月の時点で今年の渇水を見込んで、先に手を打っていたからです。
その中身を、実際の降水量のデータとあわせて書きます。
※9月27日追記:その後の大雨で実割れが出ました。「そして9月、渇水から大雨に」に書き足しています。
※10月6日追記:糖度を測りました。「10月、糖度を測りました」に書き足しています。

当園にいちばん近い和歌山地方気象台の記録では、7月の降水量は45.5mm。
平年は175.8mmですから、4分の1しか降っていません。8月はもっと極端で、わずか10.5mm。平年101.8mmの、ちょうど10分の1です。
7月と8月を合わせて56mm。これは1879年以降の記録のなかで、5番目に少ない数字でした。これより少なかったのは1879年、1883年、1886年、そして平成6年の大渇水として記憶されている1994年だけです。
9月2日に放送された関西テレビ「newsランナー」でも、この夏の和歌山の渇水が取り上げられていました。
参考:関西テレビ「newsランナー」2026年9月2日放送「みかんが”すだちサイズ”の『3S』に…農家が悲鳴『今までにない』 和歌山で深刻な雨不足で21年ぶりに『渇水対策本部』設置」https://www.ktv.jp/news/feature/260902-mikan/
県内の産地では、みかんが肥大しきれずに「すだちサイズ」と呼ばれる3S中心になっているところもあり、規格外の実が大量に出ているそうです。由良町の農家の方の「ここまで肥大が鈍い年は初めて」という言葉が紹介されていました。
日高川町の農家の方は、畑の4割の木が弱ってしまったと話しておられました。「葉を巻いて自分で木を守っている状態」。来年へのダメージのほうを心配されていて、同じ果樹農家として、いちばん重く響いた一言でした。
木は一年で終わりません。今年の渇水がこたえるのは、実は来年なのです。
では、よけそ農園はどうだったのか。
実は、ある程度こういう状況になることは予想していました。
「今年も夏は雨が少なくなるだろう」そう見込んで、5月にある肥料を散布して、意図的に生理落果(樹木が自分の健康を保つため、自然に実や花を落とす現象)を多めにさせています。
みかんの実の数を、早い段階で減らしておくためです。
水の足りない夏になると、みかんは実を太らせきれません。木がたくさんの実を抱えたまま渇水に入れば、そのどれもが小さいままで止まってしまいます。
また、実を多く抱えたままだと、少ない水が実のほうへ優先して流れ込み、木そのものが弱ってしまいます。
番組では、枯れそうな木のみかんを減らして少しでも木の負担を軽くするために、みかん農家が摘果に追われている様子も伝えられていました。
水をやって助けるのではなく、木がもともと持っている力を、木を弱らせない範囲で実に向けてもらう。そのために、5月の段階で手を打っておいたのです。
結果は、おおむね想定どおりです。記録的な渇水を、木はある程度元気なまま越えてくれました。

ただ、これで毎年しのげるとは思っていません。
園地の中には土が特に乾きやすい場所があり、そこでは下の写真のように弱った木も出ています。

そもそもこれは「渇水にどう耐えるか」の工夫であって、水そのものを増やす手ではありません。こういう夏が毎年続くようなら、根本的な解決を考える必要が出てきます。
本当は、潅水設備を入れたいと考えています。畑に水を引くことができれば、今年のような夏の話はずいぶん変わってきます。
ただ、設備には相応の投資と維持費がかかり、まだその段階には至っていません。
だから今は、できることを毎年ひとつずつ試しています。今年はこれをやってみた、狙いどおりだったから来年も続ける、ここは変えてみる。試行錯誤の繰り返しです。
地味ですが、この積み重ねが5年後、10年後に大きな差になってくる。温暖化への対応は、大きな決断を一度下して終わりではなく、毎年考えて毎年試すものだと思っています。
9月に入ると、天気は一転しました。4日に37mm、8日には一日で120.5mm。8月ひと月の10倍以上の雨が、たった一日で降りました。その後も雨の日が続きました。

渇水のあとの大雨で心配なのが、実が割れる「裂果(れっか)」です。

夏のあいだ水が足りず、みかんの皮は硬く締まった状態になっています。そこへまとまった雨が降ると、根から一気に水を吸った果肉だけが膨らみ、皮が追いつかずに割れてしまいます。
よけそ農園の畑でも、この雨のあと実割れが出ました。
ただ、これもある程度見込んでいたことで、割れは摘果で落とせる程度ですみました。
雨のおかげで、止まっていた肥大も進みました。和歌山全体では小玉が目立つ中、よけそ農園のみかんはS・Mサイズ中心の、狙いどおりの大きさになりそうです。

一方で晴れ間が少なく、糖度がどこまで乗ってくるかは気がかりです。
ここから収穫まで、晴れの日が続いてほしいところです。
10月に入り、みかんの色づきが進んできました。
まだ緑の残る実もありますが、日ごとにオレンジ色が濃くなっています。

9月に気がかりだった糖度を、収穫したみかんで測ってみました。

YN26:糖度13.0度

日南1号:糖度12.2度
晴れ間の少ない9月でしたが、どちらも12度を超えてきました。
※10月上旬に測った数値です
こうした夏を越えたみかんが、まもなく色づいてきます。この厳しい環境の中で、みかんの木も頑張ってくれました。

よけそ農園では、10月から極早生の和歌山オリジナル品種「YN26」や、一般的な品種の「日南1号」を皮切りに順に出荷していきます。出荷開始日や今年の出来は、お知らせメールでお伝えしています。
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今年もどうぞ、当園のみかんをよろしくお願いします!
桃(6月~8月)
みかん(10月~12月)
レモン(11月~1月)
美味しい旬の時期は限られており、
年によっては早めに完売となることがあります。
販売開始と、その年の出来を園主からお伝えします。
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