【2025年度版 最新】桃の旬は夏(6月~9月)!産地ごとの特徴や美味しい品種を紹介

桃日誌
園主

何回かお問いあわせいただいて気づいたのが、「桃の美味しい旬の時期」があまり知られていないということでした。美味しい桃を食べるには旬だけを気を付ければいいのか、日本各地の産地では旬の時期もずれるでしょうし、生産量ランキング、主な品種なども気になって調べてみました。

【2025/05/21 追記】掲載しているデータも古くなってきたので、最新のデータに更新しました。

桃の美味しい旬の時期はいつ?

作物がもっとも美味しく食べられる時期である「旬」。桃は夏が旬の果物です。

美味しい桃の旬の時期は?と問われると、ずばり夏である「6月から9月」になります。

7月が桃の出荷最盛期とされていますが、桃は品種によって少しずつ旬の時期も異なりますし、各産地によっても旬の時期が異なります。

和歌山県にあります、よけそ農園では桃・みかんの出荷が始まる旬の時期になりましたら、お知らせメールをお送りさせていただいております。ぜひご登録をよろしくお願いいたします!

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桃(6月~8月)、みかん(10月~12月)、レモン(11月~1月)と美味しい旬の時期は限られており、
また年によっては早めに完売となることがあります。
「販売はまだ?いつから始まるの?」や「え?販売はもう終わったの?」などのお問い合わせを多くいただいておりまして、
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旬の時期に買いさえすれば、美味しい桃が食べられるか?

これは生産者である私たちが、一番悩ましく思っていることなんですが、旬の時期であったとしても梅雨の長雨があまりにも降りすぎると、日照不足で光合成ができない上に、桃が水を吸収しすぎてしまって美味しくない水っぽい桃が収穫されることがあります。

美味しい桃の品種であったとしても、熟しきらないうちに早く収穫しすぎると甘さが足りないですし、熟しすぎると傷みやすく、味も美味しさが損なわれます。

当園においても梅雨の長雨が悩みであったのですが、数年前に桃を切ることなく糖度を計れる、光センサー糖度計を導入することにより、安定した糖度の桃を出荷できるようになりました。

早生品種の桃については糖度12度以上、中生・晩生品種の桃については糖度13度以上の桃のみを、ネットショップでは出荷するようにしております。

美味しい桃を食べるには?

これらが「桃は当たりはずれがある」と言われる理由なんですが、やはり「適地で美味しい品種を生産技術をもった生産者が栽培して、適熟で収穫しているか」ということが一番大切なことだと思います。

生産者によって栽培方法は異なりますし、まったく時期が外れた秋・冬であったとしても、とても美味しい桃を提供している生産者はいらっしゃいます。

ですので、美味しい桃を栽培されていると評判の良い生産者から購入いただくことをオススメいたします。

全国の桃の生産量ランキングと推移

農林水産省の「農林水産統計」を参照して、最新のデータを調べてみました。

結果樹面積は9,190haで、前年産に比べ70ha(1%)減少した。
収穫量は10万9,700tで、前年産並みとなった。
出荷量は10万2,600tで、前年産に比べ700t(1%)増加した。

令和6年度 農林水産統計より

令和6年度桃の生産量は10万2,600トン。これだけ見ると全国ではすごい量の桃が収穫されています。

想像したとおり桃の面積と収穫量は年々減少傾向にはあるんですが、出荷されるものの割合が増えているように見えます。これはフードロス削減などで、規格外品なども出荷されるようになってきたのでしょうか?

都道府県別の桃の生産量ランキング

次に都道府県別に生産量のランキングを調べてみました。

令和6年においては山梨県と福島県が二大産地であり、この2県(山梨県と福島県)だけで、全国の収穫量の半数以上(合計56%)を占めています。

続いて3位の長野県、4位の山形県、わが和歌山県が5位として入っています。意外かと思われるかもしれませんが、岡山県は桃の産地として有名ですが、生産量ランキングTOP5には入っていないのです。

調べてみると、色々と興味が出てきまして他の産地についても調べてみることにしました。

それぞれ産地の旬の時期と代表的な桃の品種

1.山梨県の旬の時期と代表的な品種

山梨県

国内の桃生産量の約1/3を占め、全国1位の生産県です。長い日照時間や昼夜の大きな気温差、適した土壌・傾斜地など、桃栽培に恵まれた条件を備えています。

山梨県の桃の旬の時期は6月中旬~9月下旬になります。

主な品種は以下になります。

  • ちよひめ
  • 日川白鳳(ひかわはくほう)
  • 夢桃香(ゆめとうか)
  • 夢しずく(ゆめしずく)
  • 夢みずき(ゆめみずき)
  • 白鳳(はくほう)
  • 浅間白桃(あさまはくとう)
  • なつっこ
  • 川中島白桃(かわなかじまはくとう)
  • 幸茜(さちあかね)
  • あかつき
  • 加納岩白桃
  • 御坂白桃
  • 一宮白桃

加納岩白桃一宮白桃などは山梨県で育成された品種として有名です。主な品種のラインナップを見ると、だいたいどこの産地なのか、桃の生産者だったらわかるかもしれませんね。

生産地の特徴を調べてみると、内陸部にあり昼夜の寒暖差が大きいため、甘い果物ができやすくなります。また甲府盆地とよばれる盆地があり、盆地には扇状地とよばれる、水はけのよい地形ができるのですが、こういった条件が桃の栽培には適しているのではないかと思われます。

あまり知られていませんが、山梨県は日照時間でも日本一です。ちなみに和歌山県は3位となっています。

2.福島県の旬の時期と代表的な品種

福島県の桃の旬は7月~9月になります。

福島県の主な桃の品種は、

  • はつひめ
  • 日川白鳳
  • 暁星
  • ふくあかり
  • あかつき
  • まどか
  • 川中島白桃
  • 黄金桃
  • ゆうぞら
  • さくら白桃
  • ふくあかり

実は昨年に剪定技術を学ぶために、福島県のある方の園地にお邪魔しておりました。車からは桃の他にも、リンゴの園地が良く見えましたね。

やはり福島県の桃といえば、真っ先に思いつくのが「あかつき」でしょうか。果肉が固めの桃の品種が多いというイメージがあります。

産地として特徴を調べてみると、やはりここも福島盆地があります。県北部は盆地性気候で、夏は気温が高く日照時間も長いのが特徴です。多くの桃の産地が県内の盆地に集中しており、夏の暑さが甘みを凝縮させることで、美味しい桃が育てられているようです。

3.長野県の旬の時期と代表的な品種

長野県の桃の旬の時期は7月下旬~9月中旬になります。

長野県の主な桃の品種は、

  • たまき
  • 川中島白鳳
  • あかつき
  • なつき
  • なつっこ
  • 黄金桃
  • 川中島白桃
  • 丸田白桃
  • ワッサー

やはり長野県といえば、川中島白桃が有名ですね。あの「川中島の戦い」でも有名ですよね。あとはなつっこも育てやすい優良な品種です。

生産地としての特徴を調べてみると、

長野盆地(長野・須坂・中野方面)や千曲川沿いの扇状地(安曇野)、中南信地方(上田・飯田方面)など、標高400~800m程度の山間盆地や河川扇状地に広がっています。

山梨県と同様の条件になるのですが、内陸部で昼夜の寒暖差が大きく美味しい果物が育ちやすいです。また長野盆地があることから、扇状地があり、水はけがよいため桃の栽培に適していると言えます。

「桃の産地には盆地が多い」のが調べてみてよくわかりました。

4.山形県の旬の時期と代表的な品種

山形県の桃の旬の時期は7月下旬~10月上旬になります。他の産地が9月が最終になっているようですが、山形は10月上旬まで桃を生産することができるようです。

桃は大きな桃の産地としては最北の位置にあり、収穫が始まるのも遅いのですが、そのぶん遅い時期まで収穫することができます。

山形県の主な桃の品種は、

  • あまとう
  • あかつき
  • 陽夏妃 (ようかひ)
  • 美晴白桃 (みはるはくとう)
  • 青空むすめ
  • 川中島白桃
  • 伊達白桃
  • 西王母
  • 幸茜
  • 夢かおり
  • 黄金桃(おうごんとう)
  • 光黄(こうき)
  • 黄貴妃(おうきひ)
  • きららのきわみ
  • 光月(こうげつ)
  • 西尾ゴールド

やはり比較的おそい時期に収穫される品種が目立ちます。

山形県の産地の特徴としては、こちらも山形盆地があり、日中は暑く、夜はエアコンがいらないほど涼しい盆地特有の気候だそうです。さらに梅雨期でも降雨量が比較的少なく日照時間が長い地域柄です。最北の大産地として、10月まで桃を出荷できるというのも、強みの一つですね。

5.和歌山県の旬の時期と代表的な品種

ようやく当園がある和歌山県が出てきました!

和歌山県の桃の旬の時期は、6月中旬~8月中旬になります。

産地としては最も南にあるので、もっと早い時期に収穫が始まるかと思いきや、他の産地とほぼ同じです。これには理由がありまして、早い時期に収穫される桃というのは、小さい桃ができる傾向にあります。

小さい桃というのはどうしても商品価値が低くて、育てるには生産者に敬遠されがちです。当園でも一番早くに収穫される桃は「ちよひめ」でこれより小さいとちょっと厳しいですね。。

和歌山県の桃の品種は、

  • 竜門早生
  • ちよひめ
  • 桃山白鳳
  • 長田白鳳
  • 日川白鳳
  • 紀の里白鳳
  • みさか白鳳
  • 八幡白鳳
  • 白鳳
  • 嶺鳳
  • なつっこ
  • 清水白桃
  • 川中島白桃

やはり早めに収穫される桃の品種が多いです。他産地では川中島白桃以降の桃も多いのですが、和歌山ではあまり栽培されていません。

和歌山の産地としての特徴は、今までの産地の特徴であった盆地ではありませんが、紀の川流域の水はけのよい土地に植えられていることが多いです。

産地としては最南端ということもあって、収穫される時期が早いことがあげられますが、温暖化が進んで最近はさらに早くなってきている気がします。もっとこの利点を活かして、栽培に取り組んだほうがいいかもと、産地の調査をしながら考えるようになりました。

番外編:岡山県

岡山県は産地として、生産量TOP5には入っていないのですが、産地としてはとても有名ですよね。そこで岡山県も調べてみました。

岡山県の桃の旬の時期は、6月中旬~9月になります。

岡山県の主な桃の品種は、

  • はなよめ
  • 日川白鳳
  • 加納岩白桃
  • 白鳳
  • 清水白桃
  • おかやま夢白桃
  • 川中島白桃
  • 白麗
  • 瀬戸内白桃
  • 白皇
  • 恵白
  • 黄金桃

さきほどの説明でもあったように、生産量のTOP5に入っていない岡山県なんですが、知名度では1、2を争うほど有名です。

「桃太郎」で有名だから?など色々考えてみたのですが、これはブランディングが成功しているからかもと考えるようになりました。岡山県自体が桃をイメージしやすいことに加えて、「白桃」「清水白桃」などどいった果皮が白い状態で育てる白桃系の品種に特化して生産しています。

白桃は果皮が白い分、ももの傷や汚れが目立ちやすく、袋掛けを何重にもするなど栽培に非常に気を使わなければなりません。手間も非常にかかってしまうのですが、岡山県の白桃というのは高級な桃としてのイメージが定着しており、高単価で販売されていることが知られています。

こういった産地としてのブランディングは、私どもも見習っていかなければならないところです。

まとめ

  1. おおまかな桃の旬の時期は6月から9月
  2. 桃を美味しい桃を食べるには、産地の技術がある生産者から購入することが重要。
  3. 主な桃の産地は内陸部の盆地、もしくは水はけのよい土地柄であることが多い。
  4. 産地が北にいくほど収穫が遅い品種が多く、南にいくほど早めに収穫できる品種が多い傾向。
園主

今回、色々と桃の産地を調べてみて、当園にとっても参考になる部分がとても多かったです。特に品種のラインナップは常に見直していきたいのと、ブランディングをあわせて考えていきたいと思います。

これからは産地というよりも、生産者・農園がブランドとなっていく時代であると思います。

当園でも強みは何なのか、高糖度の桃(最高糖度29度)が生産できるという強み、農園からの迅速な配送、品種や最新の生産技術の導入など、色々な点を情報発信をしていく予定です。

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桃(6月~8月)、みかん(10月~12月)、レモン(11月~1月)と美味しい旬の時期は限られており、
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