桃農家が伝授!究極の美味しい桃の選び方と食べ方ガイド

桃日誌

選ぶならこの桃!美味しさを決める3つのポイント

調べてみると色々なサイトで「美味しい桃の選び方」が書かれていますが、私たち桃農家が見るポイントは3つあります。

これは桃農家が実際の選別でも使っているポイントなので、順番にお伝えしますね。

① 桃が左右対称で、縦ではなく横に膨らんでいること

まず、きれいな桃の形を想像いただけるとわかると思うのですが、桃が割れ目で左右対称で同じように膨らんでいることが重要です。

桃の左右が対称でなく、どちらが膨れている場合はそちらの膨らんでいるいる方の糖度が高く、膨らんでいない方は糖度が低いです。

当園では光センサーを使って糖度選別を行っているので、一目瞭然です。差が大きい桃になると左右で2度も糖度が違うことがあります。

そのため当園では桃の左右の2か所において糖度選別を行っているのです。

そして、桃が縦ではなく、横に膨らんでいることが重要です。

これは少し専門的な話になるのですが、植物ホルモンのオーキシンが関係していまして、このオーキシンは果実の肥大と糖度の向上に関係します。

このオーキシンが活性化していると、横に膨らむ果実になるので、そういった桃は糖度が高い傾向にあります。

余談ですが、ジベレリンという植物ホルモンが活性化すると縦に膨らみます。肥料をやりすぎていたりするとそういった傾向にあり、糖度も高くありません。

② 桃の表面に「果点」といわれる小さい白い点がついていること

桃の「果点」とは、果皮にある白いつぶつぶの点のこと。一見するとキズのように見えますが、実は美味しい桃のサインです。

桃が太陽の光をたくさん浴びて栄養が行き渡ることで実が熟し、糖度が上がってきます。すると果皮に亀裂が入り、「果点」が現れるのです。

ですので果点が多いほど、糖度が高い桃である可能性が高いです。

この「果点」が果皮全体に広がっていれば、さらに甘さが増してる証となります。糖度20度越えの桃になってくると、この点が多すぎて白っぽい桃になります。私たちは「霜降り桃」と言ったりしますね。

過去には外見の美しさを優先し、果点のある桃を除いて出荷するようにしていた時期もありました。現在は生産者だからできる取り組みとして、美味しさを優先して積極的にお届けするようにしています。

③ 桃本来の甘い香りがしていること

美味しい桃は香りがとても良いです。香りが良いから美味しいのかもしれませんが、あの爽やかなんですが、甘い香りがしっかりと熟している証拠になります。文面で表現するのは無理がありますね。

ここがプロ仕様の話になってくるのですが、桃に果肉障害といって果肉に異常があると、この香りが南国フルーツのような甘ったるい香りになります。これは熟練にならないとわかりません。

実は当園ではこの香りが、内部障害を見極める重要なポイントになっています。ただ風邪を引いたりして、鼻が詰まってしまうとわからなくなります(笑)

プロ直伝!桃の切り方・皮のむき方で注意すること

まず最初に桃はどの部分が甘いか、ご存知でしょうか。

上の画像であれば上部(果頂部)が甘く、下部(果梗部)になるほど甘くなくなります。そして、緑色の線(縫合線)の部分の糖度も低い傾向にあります。

ですので、均等に甘い部分をわけるためには、画像のようにくし切りにした方が良いかもしれません。

そしてもっと細かく言うと、桃で甘いのは皮の近くです。種に近づくほど甘くなくなるので、包丁で皮をむくときにはできるだけ、薄くむくことをおすすめします。

流水で桃を洗い、表面のウブ毛を流し取ってから、桃の皮を手か包丁でそっと、出来るだけ薄くむいてください。

あと農家しかあまり知られていない豆知識ですが、糖度の高い桃ほど皮は手でつるっとむけません。どちらかというとつるっと皮がむける桃はあまり甘くない印象があります。

高糖度の桃ほど皮がむきづらい傾向があります。

固い桃も怖くない!自宅で簡単に桃を追熟させるコツ

当園にたまにあるお問い合わせ内容で、比較的固めの桃をご購入いただいたのですが、いつまでたっても桃が柔らかくならないということがありました。

よくよくお話を伺ってみると「届いてすぐに冷蔵庫に入れて保存した」とのことでした。

これは何が悪いかというと、冷蔵にいれてしまうと桃は柔らかくなる追熟が遅くなってしまうのです。こちらの詳細については記事「硬い桃、柔らかい桃はどちらがお好み?食べごろにする追熟方法」ご参照ください。

風通しの良い冷暗所で保存するのが基本の保存方法になります。

またまた植物ホルモンのお話になってしまうのですが、桃は「エチレン」という植物ホルモンを多く放出する果物で、このホルモンによって熟するのが進行します。常温においておくと桃は自然と熟しますが、冷蔵庫に入れておくと放出がゆるやかになり、熟するのが遅くなります。

桃の食べ頃っていつ?自宅で確かめる方法

桃が木になっていた軸の周りが一番遅く熟するので、そこが少し触って柔らかくなっていれば食べごろです。

柔らかすぎず、固すぎず、ちょうど良い弾力があれば準備OK。甘さと香りを逃さないためにも、食べ頃を見極めましょう。

カリッとするぐらい固い桃が良いという方から、ジュルっとするぐらい柔らかい桃がよいという方もいらっしゃって、好みの桃の固さというのはお客様によって本当に様々です。

桃の甘みを引き立てる!最適な冷やし方とは?

実は桃というのは、冷やしすぎると甘みを感じにくくなってしまう果物です。

ですので、冷たい桃を食べたいからといってずっと冷蔵庫に入れてしまっているというのは、甘さを感じるという点でもマイナスなんです。

常温でそのまま食べたり、冷蔵庫で2~3時間ほど冷やして食べる方法もありますが、氷水で15分ほど冷してから食べるのもおススメです。

手間がかかってしまうことや、氷を用意しなければならないのが難点ですが、外側の冷たい口当たりと、甘みと香りの両方を楽しむことができます。これが一番美味しい桃の食べ方ではないかと個人的には思っております。

上の画像では水が足りていないですが(笑

桃が浸かるように氷水をはって召し上がっていただくのも、風情があって良いのではないでしょうか。

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